“草の根の友情”粉砕に唇かむパレスチナ人〔読売新聞〕

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 02 日 11:46:26:

ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマッラ近郊でパレスチナ人と親密な関係にあったイスラエル人男性が殺害された事件は、現地住民らを悲憤のどん底にたたきつけていた。暗殺・テロの報復合戦の激化は、紛争解決に向けた期待をかすかにつなぐ住民間の草の根のきずなさえ断ち切り、和平への道をますます遠のかせている。(ラマッラで、久保健一)
イスラエルとの境界線(グリーンライン)に近い高台にあるラマッラ近郊のナアリン村。パレスチナ人と家族同様のつきあいだったイスラエル人のアモス・タジュリさん(60)が殺害されたのは8月30日の朝だった。
「親友」の殺害現場に居合わせたムルシ・アミーラさん(22)は、「なぜ、あんな善人が殺されてしまうんだ……」と唇をかんだ。
事件が起きたのは、タジュリさんの資金援助を受けアミーラさんが、1週間前に開店したばかりの食堂。タジュリさんが遅い朝食を取っている時だった。調理場で銃撃を聞き駆けつけたアミーラさんは、頭を撃たれ倒れるタジュリさんと、傍らに立つパレスチナ人と見られる覆面の男を見た。思わずイスを投げつけると、男は、アミーラさんにも発砲して村外へ逃げた。現地ではパレスチナ解放人民戦線(PFLP)のムスタファ議長暗殺(先月27日)の報復との見方が強く、憤りは、政争を続ける指導者らにも向けられている。
アラビア語が堪能なタジュリさんは、国軍を退役した数年前から、安価な野菜や果物を求め境界を越え村を訪れ、現地住民との友情をはぐくんだ。昨年秋の騒乱が始まると、道路が封鎖された村人に代わり物資を村に届けるなどして信頼を集めた。
工員のサレハさんは、「タジュリさんの死でイスラエル人とのつながりが失われた」と嘆く。
泥沼化する騒乱は、細々ながらもつながっていた民族間の和解の芽を摘み取っている。
(9月2日01:04)

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