投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 17 日 23:36:08:
【ペシャワル(パキスタン)17日=長谷川聖治】
アフガニスタンと国境を接するパキスタンの北西辺境州の州都ペシャワルには17日、米国による軍事作戦の可能性が刻々と強まる中、恐怖から逃れようとするアフガニスタン国民が難民として大量になだれ込んでいた。パキスタン政府は国境を閉鎖し、兵士を増派して警戒に当たっているが、山岳、丘陵の多い2500キロにも及ぶ長い国境からの流れを止めることはできない。イスラム原理主義信奉者の多い当地には、大量のタリバン兵士、テロ組織が身を寄せることが予想され、混乱が発生することも懸念されている。
パキスタン国内のアフガン難民は約120万。ペシャワルには20以上の難民キャンプが点在しする。同市郊外にある最大の難民キャンプ「ジャロザイ」には、薪が山積みされ、様々な店が通りに沿って伸び、6万人の難民に生活物資を提供している。
記者が、居住地区に入ろうとした時、自衛のためにライフル銃を持った難民に呼び止められた。「通行は許可しない。安全のためだ」。
ここ数日間、米国の報復作戦を恐れ、アフガニスタン難民が流入しており、地元ジャーナリストは、「タリバン兵士も多数含まれ、パキスタンの諜報(ちょうほう)機関による摘発を警戒しているためだ」と語る。
通りの商店街は新しい”居住者“らで、ごった返していた。食品店を営むパームハマドさん(25)は「罪のないアフガニスタン国民を巻き込む米国の軍事行動は許せない。タリバンが何悪いことしたのか。同じムスリム(イスラム教徒)が狙われれば、我々は絶対復讐する」と興奮気味にまくし立てる。
「この数日で3000人以上の新しい難民が増えた。もし軍事行動が始まれば、ここは医療設備、薬も十分でなく、混乱するだろう」と医師のモハマドさんは嘆く。
イスラム神学校が林立、原理主義教育の中心地とされる同州。タリバン兵士の多くもここで教育された。パキスタン政府が、米国の軍事作戦への全面協力方針が明らかになった15日夜、カイバル峠など同州の国境検問所は閉鎖されたと発表された。食料以外の流入は一切認めない方針だ。しかし、実際は、大量に殺到するアフガニスタン国民の流れを抑えきれず、多くは山岳丘陵地帯を馬などで不法に進入してくる。ペシャワル市内には、ここ数日で、数千人のアフガン国民が入り込み、親せき宅などに身を寄せるているという。 16日、同市内ではイスラム原理主義勢力が、米国と米国に追従するムシャラフ政権の対応に抗議してデモを繰り広げた。同市内の会社員ハマドさんは「テロへの決別、同胞への攻撃という選択の中で、人々の気持ちは、揺れ動いている。攻撃が近づいて町中が殺気だってきており、攻撃は回避して欲しい」と複雑な心境を代弁する。
(9月17日21:31)
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