投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 17 日 11:24:34:
【ワシントン布施広】
同時多発テロへの報復として週内にも予想される米国のアフガニスタンへの軍事行動について、ロシアの動向が焦点になってきた。ロシアは多数の市民が死亡した米国に同情する一方、近接するアフガンへの大規模攻撃には反対している。19日に予定されるアーミテージ米国務副長官とロシア高官の米露協議が、軍事行動の時期や規模などに微妙に影響する可能性もある。
アフガン周辺国のうちパキスタンは軍事行動時の米軍の領空通過などを許可、17日にもアフガンのタリバン政権と接触し、米側がテロの最重要容疑者と見るウサマ・ビンラディン氏の引き渡しを求める。米側は引き渡しに3日間の猶予を設けている模様で、タリバン側の返答次第では、週内にも軍事行動含みの緊張が高まることになる。
やはり隣接国で反米の立場にあるイランも今のところ米国の軍事報復への強い反対は表明していない。パウエル米国務長官は16日、アフガン周辺国のウズベキスタンとも意見交換すると語ったが、同国やトルクメニスタン、タジキスタンの意向が軍事行動に大きく影響するとは考えにくい。
このためロシアの対応がカギとなる。報道によると、プーチン大統領は16日、テロ組織を処罰する必要性は認めつつ、無差別的な武力使用には反対。イワノフ国防相も「じゅうたん爆撃などが問題を解決するとは考えにくい」と米国の大規模な軍事行動をけん制した。
旧ソ連は79年、アフガンに侵攻したが、結局撤退。現在もイスラム原理主義を掲げるタリバン政権とロシアの関係は良くない。だが、ロシアは北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴスラビア空爆に続き、旧ソ連の勢力圏や近接国で、米国が大規模な軍事行動を構えることは歓迎できない。
このため米政府はロシア説得に重点を置く方針で、16日からロシアを訪問したボルトン米国務次官はミサイル防衛構想のほか軍事報復についてもロシア側と協議する見通し。
ロシアは米国の軍事行動を左右する力はないとみられるが、ロシアが大規模報復に強く反対する態度を変えない場合、米国は難しい対応を迫られる可能性もある。
[毎日新聞9月17日] ( 2001-09-17-10:55 )
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