投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 15 日 21:18:21:
【ワシントン15日=永田和男】
パウエル米国務長官は14日の記者会見でアフガニスタンの実効支配勢力タリバンについて、「タリバンがウサマ・ビンラーディンの組織を支援しているなら、両者の行動を区別して考えるわけにはいかない」と述べ、近づくテロ組織への報復作戦ではタリバン体制の転覆も視野に置いていることを強く示唆した。
長官は、「このメッセージは他のあらゆる体制や国家についてもあてはまるものである」と述べて、ビンラーディンの組織や、他の過激派テロ組織に訓練所提供や資金援助を行う国家をいっさい見逃さない姿勢を強調した。
またパウエル長官は、報復作戦での各国の協力の濃淡が今後米国との外交・経済関係を考え直すうえでの「新たな基準になる」と語った。発言はパキスタンや中東諸国を念頭に、経済制裁や援助打ち切りをちらつかせて情報提供などを迫る考えを示唆したものだ。
長官は、「特定の国の対応が鈍く、そのためにさらなるテロ行為の温床が形成されているとわれわれが判断した場合、将来その国に対して行う援助や関係全般を考え直さざるを得ない」と語った。これはパキスタン政府が、米国の協力要請と国内世論の反発のはざまで回答を渋っていることから、協力をさらに強く迫る意図があるのは明白。パキスタンはビンラーディンの所在などの情報を持つとみられるほか、米軍が対アフガニスタン軍事行動を起こす際の領空通過などパキスタンの協力が不可欠だ。
長官は14日、田中外相とインド、サウジアラビア、チュニジア、モロッコ、ポルトガル、シリア、バーレーン、クウェート、韓国の外相に次々と電話。主としてテロ組織に対する資金の流れを断つ協力を求めたという。
ビンラーディンは3億ドルの個人資産を有するとみられるが、湾岸産油国の富豪がスポンサーについているとされ、国際的な資金ルートの解明、凍結が組織撲滅には欠かせない要素だ。
一連の電話協議では、米国が「テロ支援国家」の1つに認定するシリアのシャラ外相にも直接、協力を求めたほか、イランとも支持獲得を模索している。長官は、「対テロの協力網から外して考えている国はほとんどない」と語っており、原理主義組織に影響力を持つこれらの国々も、長年の敵対関係を越えて手を結ぶ構えだ。
(9月15日19:22)
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