投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 30 日 00:10:36:
立山良司・防衛大教授(現代中東政治)
イスラエル軍がエルサレム近郊・ベイトジャラへ戦車などで侵攻したのは単なるデモンストレーションに過ぎない。パレスチナ側の武装勢力は4万人にものぼり、本格的な衝突に発展すれば、イスラエル側もかなりの犠牲を強られる。国際批判も強まり、イスラエルにとっても得策ではない。イスラエルがパレスチナ自治区を全面占領するような事態は考えにくい。
イスラエル国民はシャロン政権によるパレスチナ活動家の暗殺作戦や報復措置をおおむね支持している。安全保障を重視する右派勢力にはもっと厳しい措置をとるべきだとの声さえある。一方、パレスチナではイスラエルへの不信感が募っており、アラファト自治政府議長が過激派を抑え込めば、逆に自らの支持を失いかねず、徹底取り締まりができない。議長は衝突がもっと激化すれば、国際世論がパレスチナの味方についてくれると考えているのかもしれないが、事態はそうたやすくは動かない。
仲介役の米国は及び腰の中、誰も衝突を止められず、緊迫した状態がしばらく続く可能性が高い。 【聞き手・三角真理】
[毎日新聞8月30日] ( 2001-08-30-00:00 )