投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 28 日 15:31:12:
【エルサレム海保真人】
イスラエル軍は28日未明、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸のベイト・ジャラとガザ地区のラファに戦車などを動員、侵攻した。一方、27日夜、西岸ナブルス近郊で車に乗ったユダヤ人入植者の男性が銃撃されて死亡、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)の軍事部門を名乗る犯行声明があったことから、PFLPが報復攻撃を開始したとみられる。
ベイト・ジャラはイスラエルとパレスチナとの対立の焦点・エルサレム南郊に位置する。昨年秋の衝突発生以来、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの武装集団がベイト・ジャラから谷を隔てたイスラエル人居住地・ギロに対し、再三銃撃を行ってきた。イスラエル側はこの銃撃を「東エルサレムの主権獲得をにらんだ示威行為」と非難、特に神経をとがらせていた。
今回、初めて侵攻に踏み切ったことで、衝突がさらに激化するのは必至だ。
ベイト・ジャラには少なくとも4台の戦車が、ラファの難民キャンプには8台の戦車が侵攻した。周辺で激しい銃撃戦が再発、パレスチナ人武装集団が拠点としている家屋などが攻撃され、パレスチナ警官1人が死亡、7人がけがを負った。この2週間に限っても、4度目の地上軍による自治区侵攻となった。
27日暗殺されたムスタファ議長は事務所のイスに座っていたところ、窓からイスラエル軍ヘリのミサイルによるピン・ポイント攻撃を受け、体がほぼバラバラになったと判明。悲惨な暗殺の模様は、PFLPへの同情を集め、ガザ地区では約1万人が議長の写真を掲げるなどして、「イスラエルに復しゅうを!」と連呼した。銃撃戦を受け、シャロン首相らは緊急主要閣議で侵攻を決めた。
イスラエル軍は今月14日、周辺に戦車部隊を集結し、シャロン首相は「1発でも銃撃があれば、作戦を開始する」と侵攻の構えを見せていた。だが、国際社会からの圧力に加え、パレスチナ治安当局が銃撃を抑制する動きを見せたため、踏みとどまっていた。
[毎日新聞8月28日] ( 2001-08-28-14:28 )