02/18 16:22 90年代は中国、東欧に潜伏 唯一逃走中の坂東容疑 社会58
共同
連合赤軍によるあさま山荘事件の発生から十九日で三十年。事件
に関与したメンバー五人のうちただ一人逃走中の坂東国男容疑者(
55)は一九七五年のクアラルンプール事件の超法規的措置で出国
して日本赤軍に合流、中東を拠点にしていたが、九○年代後半には
中国や東欧などに潜伏していたことが判明した。しかしその後の足
取りは不明で、公安当局は情報収集に全力を挙げている。
坂東容疑者の父親はあさま山荘事件の際に自殺した。日本赤軍関
係者によると、坂東容疑者は八十歳の母親に会いたがっているとい
うが、母親は大津市の自宅で「息子からの連絡は一切ない。どこに
いるのか、生きているのか、死んでいるのかさえ分からない」と話
している。
公安当局によると、坂東容疑者は九七―九九年にかけて上海や北
京など中国でたびたび日本赤軍最高幹部の重信房子被告(56)=
ハーグ事件などで公判中=や支援者と接触。九九年にはモスクワで
重信被告らと組織再建のための会議を開くなどしていた。
この時期には中国・天津で活動資金を稼ぐため衣料関係の仕事を
していたこともあったという。
九五年には、日本赤軍の浴田由紀子被告(51)=連続企業爆破
事件で公判中=が拘束されたルーマニアのブカレストのアジトに重
信被告らとともに出入りしていたことが確認されている。
日本赤軍の城崎勉被告(54)=米で服役中=が九六年に米捜査
当局に逮捕されたネパールにも入国の形跡があった。
日本赤軍はパレスチナゲリラの後ろ盾を失ったとみられ、一時、
中国などに拠点を移した可能性もある。公安当局は現在の所在につ
いて「帰国したら死刑判決を受けることもあり得る。重信被告も日
本で逮捕されており、国内にいる可能性は低い」とみている。
坂東容疑者は大津市出身。あさま山荘事件や連合赤軍事件で殺人
罪などで起訴されたが、公判中の七五年、日本赤軍によるクアラル
ンプールの米大使館占拠事件を受け、リビアに出国。日本赤軍のメ
ンバーとともに日航機を乗っ取った七七年のダッカ事件で、ハイジ
ャック防止法違反容疑などで国際手配されている。
(了) 020218 1622
[2002-02-18-16:22]
02/18 16:23 あさま山荘事件とは 社会59
あさま山荘事件 連合赤軍のメンバー5人が群馬県の山岳アジト
から逃走中の1972年2月19日、長野県のあさま山荘に立てこ
もり管理人の妻を人質にして10日間ろう城。包囲した機動隊とラ
イフル銃などで銃撃戦を行い、警官ら3人を射殺、16人に重軽傷
を負わせた。逮捕された5人のうち、坂口弘幹部(55)は死刑判
決が確定、超法規的措置で出国し逃亡中の坂東国男容疑者(55)
を除く3人は服役したり、刑期を終えるなどしている。
(了) 020218 1622
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