02/14 17:18 20日で時効まで残り1年 香川の鉄塔倒壊事件 社会221
共同
香川県坂出市で一九九八年二月、四国電力の送電用鉄塔が倒され
、周辺の民家や企業への電気やガスがストップした事件は二十日で
丸四年。電気事業法違反罪の時効(五年)まで残り一年となるが、
依然として絞り込めない犯人像と動機に県警の捜査は難航している
。
事件は九八年二月二十日午後一時二十分ごろに発生。高さ約七十
三メートルの鉄塔が突然倒れ、約一万七千戸が停電、約九千戸のガ
ス供給が停止し、四国電力の被害総額は十九億円に上った。
香川県警坂出署捜査本部のこれまでの調べで、犯人は複数とみら
れ、鉄塔の根元にある支柱のボルト(計八十個)のうち、七十個以
上を抜き取り、すぐに倒壊しないように四つの支柱に数本ずつボル
トを残していたという。
鉄塔の専門家は「鉄塔の重量と送電線による張力のバランスを考
え、風が吹けば倒壊するように細工した」と指摘。捜査本部も、犯
人が鉄塔の構造に詳しく、四国電力に恨みを持つ者の犯行とみて、
電力関係者などを調べたが有力な情報は得られなかった。
また、ナットの傷跡から「ターニーレンチ」と呼ばれる特殊工具
が使われたことを突き止めたが、販売ルートが複雑で犯人に結びつ
くまでに至っていない。
同県警は現在、三十三人態勢で捜査しており、幹部は「総力を尽
くして摘発したい」としている。
(了) 020214 1717
[2002-02-14-17:18]