★阿修羅♪ ★阿修羅♪ |
|
次へ | 前へ |
(回答先: 「噂の真相」の同和利権疑惑記事に賠償命令 野中広務元幹事長が勝訴 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 6 月 25 日 18:17:13)
http://www.uwashin.com/2001/new/new.html
6月25日、午後1時15分より、京都地裁(第一民事部・水上敏裁判長)で野中広務により名誉毀損で本誌が提訴されていた損害賠償請求事件裁判に判決が下された。問題とされた記事は昨年5月号に掲載した「『ポスト森』の暫定総理説が消えない”闇将軍”野中広務の同和利権疑惑」という同和タブーにチャレンジした特集記事。執筆は本誌特別取材班である
。 本誌記事の発端は野中の地元・京都府の地下鉄東西線建設工事の際、当初の予算2450億円が平成6年2月になり約1500億円が追加され、さらに800億円の建設費の上積みが発覚し、事業費総額は当初の予算の約2倍に膨張したという事実をキャッチしたことだった。
その事実を誇らし気にぶち上げたのが京都全国自由同和会の上田藤兵衛京都府連会長なる人物で、その内容は同会の機関紙に堂々と掲載されている。今回の事件の核心部分であり、本誌記事から引用しておく。
《私たちを取り巻く環境は大変厳しいものがありますが、私はこの京都にここ数年で1千数億円の国家予算を交付するための条件整備をしてきました。その第一は、地下鉄東西線が開通できないと京都市が財政債権団体としてパンクする危機的な状況にあることを、担当者でもあり同級生でもある者が悩みを打ち明けてくれたことに始まるのでありますが、また個人的にも親しくしてもらっております佐藤興憲(編集部注・元京都市秘書長)さんや、関係責任者とも協議をしたところ、やはり危機感をつのらせておりました。(中略)野中事務所の井嶋隆秘書とも綿密に打合わせをした上で自治大臣室に飛び込みました。
当時の京都市政のあり方に、ケンもほろろに怒られましたが、市民の側からの私の訴えをお聞き下さり、肩をポンとたたいて下さいました。その後はご案内の通りでありまして、このことだけでも600億円もの補助をして頂いたのであります。遅滞の金利負担も入れますと、どれだけ市の財政が救われたかは想像以上の事であります。(以下略)》
いわゆる野中の子分といわれた鈴木宗男の逮捕容疑と同様の、自民党政治家お得意の”口利き”疑惑というヤツだ。本誌は、この事実をもとに京都や大阪のゼネコン業者や同和関係者を丹念に取材し、内部告発とも言える証言を多数入手して記事化したのである。
しかし「野中広務を祭り上げる同和利権組織に逆らう業者は、生活の糧を全面的に失うに等しい愚挙」といわれるような特殊で恐怖の構図が、京都には隠然と存在する。そのため、情報提供者たちは恐る恐るの状態で口を開き、当初から法廷への証人出廷自体が大変困難な状況にあった。
そうした事情を考慮した上で同和団体と野中とのカネ絡みの関係は一切断言しない形での疑惑告発という記事構成をとったのである。
にもかかわらず、裁判所は情報源の秘匿を認めず、「裏付けとなる事実を取材したことを認める証拠はない」として500万円の支払いを命じる判決を下したのである。
その理由もふるっている。野中は「自由民主党幹事長、内閣官房長官などを歴任した著名な政治家であるという社会的地位」があるから(高額賠償)だという、トンデモ論理。本誌にいわせれば、それは全く逆ではないかということである。一般の私人に対する名誉毀損はスズメの涙の損害賠償で済ませ、公人中の公人であり国民が監視すべき対象である政治家を”異常に優遇する”とは日本社会は階級社会なのかと揶揄したくもなる。まさに裁判所の見識、常識を疑わざるを得ない判決内容だ。
逮捕された鈴木宗男が未だに無罪を主張していることからも分かるように、政治家が政治献金や裏金を受け取ったとしても完全否定するのは永田町の常識であるという認識は裁判所にはゼロ。今回の裁判も書証のみでアッという間に結審し、本誌側が申請していた証人申請も、あっけなく却下された結果の判決だった。
当然ながら本誌としては即控訴して同和利権タブーを告発してくれた人々に今後とも証人出廷をねばり強く説得し、公判だけでなく誌面上での闘いを含めて続行する他はない。日本の将来のためにも本誌へのさらなる勇気ある内部告発を是非ともお願いしたい。
以下、今回の判決に対し、本誌編集長が各マスコミに出したコメント文を掲載しておきたい。
《記事内容に問題があるとはまったく考えてもいなかったので、不当な判決に呆れ返ると同時に怒りすらおぼえる。言論・報道の社会的意義やメディアにおける情報源の秘匿が認められなければ公人中の公人たる政治家の疑惑は追及できなくなり、個人情報保護法案の実質的な先取りというほかはない。野中広務は疑惑の総合商社と言われて逮捕された鈴木宗男の親分であり、同じパターンの政治家である。最近の裁判所には司法の独立も社会正義も感じられず、政治権力への迎合が目にあまるというのが実感だ。書証だけで証人出廷もないまま結審し、判決で真実が判定できるのか、はなはだ疑問である。裁判官の一方的な訴訟指揮にも問題がありすぎるのではないか。いまや言論の自由も民主主義のシステムも戦後最大の危機を迎えているといわざるを得ない。弁護士と相談の上、即時控訴を検討したい。 「噂の真相」編集長 岡留安則》(02/6/25)