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大阪府茨木市の阪急南茨木駅ビル内のスーパー店員矢野慎さん(当時33歳)が刺殺された事件が1日、未解決のまま丸1年を迎えた。情報も少なくなる中、矢野さんの妹の明子さん(30)はこの日、「私たちは事件を決して忘れない。そのことを犯人に訴えたい」と容疑者の似顔絵入りのビラを作り、同駅前で配った。
矢野さんは、駅ビル前の路上で、30―50歳ぐらいの男に刺された。男は事件直前に矢野さんと話しているのが目撃されていたが、有力な手がかりはない。
明子さんは3月、捜査本部がある府警茨木署を訪ね、情報提供も途切れがちだと聞かされた。「忘れられそうになっている」。風化をくい止めようと、パソコンを使い、犯人の特徴や4種類の似顔絵を載せたビラ2000枚を作った。
明子さんは、1年を前に、手記を読売新聞に寄せた。〈悲しさ、寂しさに心を支配された、とても重く長い1年だった〉と。優しく仕事熱心だった兄が、今もひょっこり帰ってくるような気がする。包丁で手を切ってしまったときも〈こんなに小さな傷でも痛いのに〉と兄の苦しみを思う。悲しみが大きすぎて、犯人への怒りや憎しみすらまだわかない。それでも〈事件当日に兄と犯人の間に何があったのか、真実を知りたい〉。
午前7時半から兄の同僚や知人ら約15人とともに駅前に立ち、通勤客らにビラを配った明子さんは「ここに来ると兄の笑顔を思いだし、いつも涙が出てしまう。兄が殺された理由が分からない。何とか、力を貸してください」と訴えた。情報提供は、茨木署(0726・22・1234)へ。(読売新聞)
[5月1日18時14分更新]