04/27 16:12 捜査難航、沿線の警戒続く 新幹線ボルト事件から4 社会42
共同
岐阜県関ケ原町の東海道新幹線で一九九八年四月、レールを枕木
に固定するボルト二十五本が引き抜かれた事件は、三十日で発生か
ら四年。往来危険などの容疑で捜査している岐阜県警はこれまでに
鉄道関係者など約二万二千人から事情を聴いたが、犯人には結び付
いていない。
二○○○年四月のゴールデンウイーク前には脅迫状がJR東海に
送られる事件もあり、警察やJRなどは新たな動きを警戒、年間約
一億三千万人の乗客を運ぶ東海道新幹線の安全確保に目を光らせて
いる。
現場は「自害峰」と呼ばれ、壬申の乱で敗れた大友皇子の首が葬
られたと伝えられる小高い丘の南。切り通しになった線路の上を、
新幹線が時速二百五十キロで数分おきに行き交う。
犯人は一九九八年四月二十八日未明から同三十日早朝にかけて、
南側の山から鉄さくの上の有刺鉄線を切り、線路内に侵入、パイプ
レンチでボルトを外したとされる。
岐阜県警は、九三年に現場近くや滋賀県彦根市の線路にワイヤロ
ープなどが巻き付けられた事件も同一人物による犯行とみて、山に
残されていたレンチやジャッキの販売ルートをたどるなどの捜査を
続ける。
JR東海は現場一帯に複数の監視カメラや照明灯を設置し、職員
による巡回警備も強化してきた。しかし、東京―新大阪間の沿線す
べてに注意を払うのは容易でなく、不審者が侵入して運行に影響が
出るトラブルは、昨年も神奈川県で起きた。
JR東海は「安全対策上、詳しくは明かせないが、列車妨害の防
止と排除に向けてさまざまな対策を講じている。乗客の安全確保を
最優先に、万全を期していきたい」と話している。
(了) 020427 1612
[2002-04-27-16:12]
04/27 16:12 新幹線妨害事件の経過 社会43
1993年6月10日 岐阜県関ケ原町の東海道新幹線上り線に
ワイヤロープが巻き付けられ、車輪で切断されたのが見つかった。
現場に中国の思想家「墨子」を名乗る犯行声明文
8・28 滋賀県彦根市で、下り「のぞみ」が線路に巻き付けら
れたチェーンを切断し緊急停車。現場に犯行声明文
11・9 静岡県長泉町の三島駅付近で上り「ひかり」が推定約
10キロのコンクリート塊をはね、緊急停車
98・4・30 岐阜県関ケ原町の下り線でレールを固定するボ
ルト25本が引き抜かれているのが見つかる
8 ボルト引き抜き事件の容疑を新幹線特例法違反から量刑の重
い往来危険に切り替え
2000・4・24 「墨子」と名乗り新幹線妨害をほのめかし
5億円を要求する脅迫状がJR東海に届く
(了) 020427 1612
[2002-04-27-16:12]