米国に移住し米国籍を取得した長女(47)に、父親の医師が生前に送金した約2000万円を、相続税の課税対象として遺産に含めたのは違法として、遺産を相続した長男(54)が東京国税局に課税しないよう求めた裁判の判決が18日、東京地裁であり、藤山雅行裁判長は課税処分の取り消しを命じる判決を言い渡した。
判決によると、東京都国分寺市の医師は、80歳で亡くなる半年前の1997年2月、長女の米国銀行の預金口座に計約2000万円を送金した。相続税法では、相続前の3年以内に、日本国内の財産が贈与された場合、贈与分は遺産に含まれると見なされ、相続税が課税される。国税側は、送金分は父親の国内財産であり、課税対象になるとした。
藤山裁判長は判決で、「(父親と長女の間で)贈与契約が結ばれていたとは認められず、日本の財産が贈与されたことにはならない」と認定し、「子が外国に定住している場合、親が一方的に送金することも不自然ではない」と述べた。
(4月19日00:11)
====================================================================================
★ 税務署は、贈与契約が結ばれたかどうかではなく、実態として“見なし贈与”及び“生前贈与”と認定し課税したのだろう。
裁判長は、「子が外国に定住している場合、親が一方的に送金することも不自然ではない」という理由付けをしているが、送金された長女は47歳であり、送金額は約2000万円である。(年間120万円までは贈与しても非課税)
それでも不自然ではないと言うのなら、「子が東京に定住している場合、親が一方的に送金することも不自然ではない」ことになる。
裁判長は、外国と国内の違いは何なのか明確にしたのかな?
この訴訟が控訴されずにそのまま判例となれば、贈与税の変更をしなくても、資産の移転がスムーズにできることになる。