産経新聞社は16日、同社の近藤真史記者(38)が95年、2カ月余りにわたって代議士の政策秘書として衆院事務局に登録され、記者と兼務の形になっていたことを同日付朝刊で明らかにした。
この代議士は民主党の河村たかし氏(愛知1区)。同記者はこの間、給与・賞与として計140万円余りを受け取ったが、全額を政治資金として代議士の後援会に寄付したという。同社は「報道に携わるものとして自覚が不足していた」として、同記者を15日付で減給処分とするとともに、現職(静岡支局次長)を解任したという。
同社によると、近藤記者は大阪本社勤務だった94年に政策秘書試験に合格。95年4月上旬に、代議士側から政策秘書就任の打診を受けた。同記者は就任を決め、代議士側は衆院事務局に政策秘書として申請し、5月1日付で登録された。
その後、同記者は周囲からの慰留を受けて退職を見送ったため、代議士は7月20日付で登録を抹消したという。
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<高山克介・産経新聞広報部長の話>
故意でなくとも、結果的に記者と政策秘書を兼務し、国から給与や賞与を受け取ったのは誤りであり、国に返納すべきだった。今後こういうことが起きないよう綱紀を引き締めていきたい。
<河村代議士の話>
記者から退社して秘書に就任する旨の連絡があったので政策秘書に登録した。ところが「社内で慰留された。なかったことにしてほしい」との連絡があったので、登録を取り消した。秘書給与は記者が現金で持ってきたので返納しようと衆院事務局に問い合わせたが断られたので、記者が私の政治団体へ寄付した扱いにした。(12:35)