【ワシントン19日=館林牧子】米コロラド大や英国南極観測局などの国際研究チ
ームは19日、南極の南極半島付近の海を覆っていた「ラーセンB」と呼ばれる棚氷
が崩壊したことを確認したと発表した。南極の別の地域では、18日に米海軍や米海
洋大気局の機関が巨大氷山「B22」が分離したことを確認したと発表したばかり。
同大は「南極全体、特に南極半島付近で急激な温暖化が進んでいるのが原因」として
いる。
同大によると、崩壊した棚氷は厚さ220メートル。今年1月末から35日間で埼
玉県(約3797平方キロ・メートル)よりやや小さい約3250平方キロ・メート
ルにもわたる範囲で、氷が一気に細かく砕けた。この地域は5年ほど前から徐々に崩
壊が進んでいたが、このような急激な崩壊は初めて。調査に当たったテッド・スキャ
ンボス研究員は、「今回は海に浮かぶ棚氷が崩壊したため、これによる海面上昇は起
きないが、陸地で同様の崩壊が起きれば、海面上昇などの影響を与える可能性があ
り、十分な監視が必要だ」と警告している。南極半島では、この半世紀に約2・5度
気温が上がったともいわれ、世界のどの地域よりも気温の上昇が早いとされる。
(3月20日13:01)
http://www.yomiuri.co.jp/04/20020320i203.htm