02/15 18:13 南海、東南海と同時発生も 東海地震で研究発表会 社会95
共同
東海地震など海域を震源域とする巨大地震について、最新の研究
成果を紹介する講演会が十五日、横浜市で開かれ「東海地震だけで
なく、東南海、南海地震との同時発生の恐れも考えるべきだ」など
とする専門家の見解が紹介された。
東大地震研究所の島崎邦彦教授は、一九四四年の東南海地震の二
年後に南海地震が、一八五四年は東海地震の三十二時間後に南海地
震が発生したほか、一七○七年は東海から四国西部までを震源域と
する巨大地震があったと指摘。「東海地震があと十―二十年起こら
なければ南海、東南海地震との同時発生などに頭を切り替えるべき
だ」とした。
昨年から衛星利用測位システム(GPS)がとらえている東海地
方の地殻変動の異常について「全体的に鈍化したが、四四年の東南
海地震の直前に異常のあった掛川(静岡県)付近では続いているよ
うにみえる」と注意喚起した。
京大防災研究所の入倉孝次郎教授は、阪神大震災の強震動は継続
時間が十秒程度だったが、四六年の南海地震では震源に近い高知県
室戸市付近で強い地震動が二分以上続いたことを紹介し「南海地震
などでは内陸型の阪神大震災と異なる災害が広範囲で発生する恐れ
がある」とした。
静岡県防災情報室の岩田孝仁主幹は「県内の木造住宅居住者のう
ち、自宅の耐震診断をした人は9%。耐震性の低い住宅の危険性に
気付かず生活している人が多い」と指摘。東海地震予知に成功して
も約千四百人が死亡するとの県の被害予測を紹介した。
東海地震が駿河湾を震源域とするのに対し、東南海地震は紀伊半
島東側海域、南海地震は紀伊半島南部から四国南部海域をそれぞれ
震源域とする地震。
(了) 020215 1813
[2002-02-15-18:13]