02/15 08:01 南極海の水温が急上昇 二酸化炭素の吸収低下 外信69
【ワシントン14日共同】南極海の海水温が一九五○年代以来、
南半球の平均の二倍近いペースで上昇しているとの観測結果を、米
カリフォルニア大の研究チームがまとめ、十五日付の米科学誌サイ
エンスに発表した。
海水温が上がると、海が吸収する二酸化炭素は減少、南極の氷山
の崩壊による海面上昇にもつながる。今回のデータは地球温暖化の
影響を予測する上で、重要なものとなるという。
研究チームは、一九九○年代後半に、自動で沈んだり浮上したり
する観測機器を使って、南極海の水深七○○―一、一○○メートル
の水温を二年半にわたって観測したデータを解析。それ以前に観測
船などが行った水温調査の結果を加え、一九三○年代から約七十年
間の南極海の水温の変化を調べた。
三○年代から五○年代までほぼ一定だった水温は、五○年代から
六○年代にかけて急上昇。最近約五十年間の水温上昇は○・一七度
と南半球の海全体の平均の○・一度を上回った。
研究チームは、水温上昇の原因については明らかにしていないが
、専門家の間では、世界の海水温の上昇傾向は大気中の二酸化炭素
濃度が増えたことによる地球温暖化が原因との見方が強く、水温上
昇が原因の二酸化炭素吸収量の低下が、温暖化をさらに加速させる
可能性がある。
(了) 020215 0801
[2002-02-15-08:01]