ひまわり5号の代役に米国の「GOES」お借りします
設計寿命を超え、トラブルが心配される気象衛星「ひまわり5号」の「代役」に米国
の静止気象衛星「GOES」が活用できる見通しとなった。気象庁の山本孝二長官が1
4日の記者会見で示した。欧米では気象衛星を「貸し借り」したことはあるが、日本が
他国の気象衛星を活用するのは初めて。
山本長官は「米国気象局は重要性を強く認識してくれた。14日(米国時間)から現
地で正式な交渉を始める」と、米国側の協力が得られることを明らかにした。4月には
政府レベルで合意し、今年暮れにも活用が可能な状態にしたいという。
「GOES」は予備機が3機あり、その1機をひまわり5号のあるニューギニア近く
の赤道上空まで移動させ、太平洋周辺の映像を送ってもらう計画。制御する地上施設の
整備や費用負担などが交渉の課題になる。
5号は、00年3月に設計寿命の5年を超えた。同庁は、観測範囲を狭めるなどの延
命策をとっている。映像はアジア・太平洋地域の26カ国・地域にも送られ、トラブル
が起きると、台風や集中豪雨など防災面への影響が心配されている。
99年11月のH2ロケットの打ち上げ失敗で、後継となる運輸多目的衛星(MTS
AT)を失ったのが響いた。新しいMTSATが打ち上げられるのは来年夏の予定。
(21:46)
http://www.asahi.com/national/update/0214/039.html