【ワシントン斗ケ沢秀俊】
約３８億年前の初期の地球に多数のいん石が衝突した証拠を初めて発見したと、オーストラリアなどの研究グループが２５日発行の英科学誌「ネイチャー」に発表した。
豪クインズランド大と英オックスフォード大のグループはグリーンランド西部とカナダで、３７億〜３８億年前の変成岩を採取した。この岩のタングステンの同位体の構成比を調べたところ、地上の岩石とは明確に違い、いん石の構成比に近かった。同グループは「地球に降ったいん石の痕跡が変成岩の内部に残った」と判断した。
約４６億年前に太陽系が誕生して間もなくは、地球や月、火星などに多数のいん石が降り注いだと推定される。月の表面に見られるクレーターはその痕跡とされるが、地球の表面は、大陸などをつくるプレート（岩板）が動いて変化しているため、いん石衝突の痕跡は見つかりにくかった。同グループは「地球上では今回が初の証拠」だとしている。

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