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海溝型の巨大地震である南海、東南海地震の想定震源域の北限と平行する西日本の太平洋側一帯で、「低周波微動」という特異な揺れが起きていることが、独立行政法人・防災科学技術研究所の「高感度地震観測網」による調査でわかった。海溝型地震につながるプレート(板状の岩盤)の沈み込み運動を反映した現象らしく、両地震の発生を常時観測によって予知できる可能性が出てきた。
低周波微動は、普通の地震より長い「毎秒1、2回」という周期の揺れ。振幅は極めて小さいため、人間には感じられず、測候所などに設置された通常の地震計も、雨音や交通騒音などと判別できない。
キャッチするには、深さ100―200メートルの井戸の底に設置した高感度地震計が必要で、国は阪神大震災の後、同研究所を主体に全国配備を開始。これまで約千か所に設置され、発生状況を把握できるようになった。
これまでの観測結果から微動の震源を地図上に表示したところ、発生域は愛知県東部から紀伊半島南部を経て、四国中部を横断する長さ500キロの帯状に分布。政府の地震調査委員会が想定した南海、東南海地震の震源域の北端に沿っていることがわかった。
震源の深さは一定しており、地下20―30キロ。南海トラフという海底のくぼみから陸側のユーラシアプレートの下へ沈み込むフィリピン海プレートの上面よりやや浅い陸の地殻深部が発生源らしい。
昨年3月の芸予地震(マグニチュード=M6・7)の後には四国で頻発。M3程度の地震後に活発になった地域もあり、地震活動と連動する傾向がある。
南海、東南海地震は、海側プレートに引きずり込まれている陸側プレートの跳ね上がりが原因で起きる。発生前、陸側プレートがゆっくり滑る前兆現象を起こすとの学説もある。
微動は常時発生しており、巨大地震にすぐに結びつくものではないが、観測の精度が上がったことで、その分布が初めて明らかになった。東海地震の地域では、これほど明確な発生分布は確認されていない。
同研究所・高感度地震観測管理室の小原一成室長は「沈み込むプレートから絞り出された地下水が地殻の底にたまって微動を起こしているのではないか。プレート運動に異変があれば、水の動きも変化し、微動の発生に影響する可能性がある」と話している。