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2000年夏の伊豆群発に先行した電磁気変化 投稿者 鯰 日時 2002 年 6 月 22 日 18:06:42:

2000年夏の伊豆群発に先行した電磁気変化

本論文はアメリカ科学アカデミー2002年5月号に掲載されました
(vol 99, p 7352,pdfファイル,323kB)
http://yochi.iord.u-tokai.ac.jp/download/PNAS2.pdf

「地震国際フロンティア研究」では全国的の約40の地電流,3成分地磁気観測点を展開してきた.2000年6月末より,
三宅島で地震活動が活発化し,噴火となった事はまだ記憶に新しい.
 同時に三宅島だけでなく,その周辺で極めて活発な群発地震活動が発生し,2000年6月から9月末までに周辺地域で
発生した地震総数は12,000個を越えた.下図に同地域における観測点とマグニチュード6以上の3個の地震を示した.

 伊豆半島を含めた伊豆諸島域は,最重要の観測ターゲットと考え我々は観測点整備を進めていた.

 多くの地震前兆的変化がノイズに埋もれてしまうという従来の苦い経験を克服すべく,今回はPCA(Principal
Component Analysis,主成分解析)と呼ばれる手法を伊豆半島の地磁気アレー観測のデータに適用した.空間的に近
接地点に展開された3台の磁力計のデータは原理的にはPCA解析で3個のシグナル源に分離できる.一般にある観
測点での磁場変動は1)太陽活動に起因する地磁気変動(磁気嵐など),2)人工ノイズ,3)それ以外のもの(地震活動
に関連する地磁気変化を含む)の合成であると考えられるので,3組のデータは解析のための必要条件は満たしてい
ると判断されたからである.解析では各観測点の30分ごとの時系列データをもとに周期10秒ないし100秒の変化に
注目し固有値解析を実施し,その固有値λn (n=1から3)の時間変化を追跡した.その結果,λ1は1)の太陽活動
を代表するパラメータである地磁気活動度指数と極めて良い相関を示した.λ2はきれいな24時間周期をもち,昼間
大きく,夜間小さいという特徴から人間活動に起因するノイズと判断された.下図には周期10秒の変化におけるλ3の
時系列変化を示す(上).またこの図には本フロンティアで1997年末に設置した新島観測点の3年間の電場スペクトル
(周期100秒)強度も示した.2000年4月から7月中旬までの時間軸を拡大したデータも同時に示す.

主成分解析では群発地震活動の始まる前の2000年5月初旬から全体のレベルが上昇し,特に図1に示したマグニ
チュード6クラスの地震の数日前から顕著に値が上昇していることがわかる.
磁場データだけでなく,新島の電場データでも同様な変化が観測されており,このように独立な手法および観測点でほ
ぼ同様の時系列変化を得たことは地震電磁気学の研究にとって極めて意義深いものと考えている.


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