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東海地震2007年前後説 瀬野東大教授 物理モデルで試算
東海地震の発生時期予測で、東大地震研究所の瀬野徹三教授が独自の物理モデル
から、発生は二〇〇七年前後の確率が高いとする試算をまとめ二十九日、東京で開
催中の地球惑星科学関連学会合同大会で発表した。発生時期予測では、これまでに
複数の研究者から二〇〇三―二〇〇五年ごろとする試算値も出ていて、東海地震が
要注意期を迎えているのか注目される。ただ、複雑な自然現象に数式をあてはめ予
測することに懐疑的な声もある。
瀬野教授が物理モデルを当てはめたのは御前崎の水準測量結果。沈降が鈍って隆
起に転じる現象を前兆ととらえ、発生時期を計算したところ二〇〇七・六年と出
た。誤差はマイナス五・五年、プラス二・八年で、二〇〇二年から二〇一〇年の間
に東海地震が起こる確率が高い結果になった。
切迫性が強い結果だが、瀬野教授は「御前崎の(隆起への)変化が弱まれば、発
生は先へ行く」と固定された結果ではない点を強調した。
瀬野教授が考えた物理モデルは、地震の震源域でプレート間が強くくっつき、地
震発生時には強い地震波を出す「アスペリティー」と呼ばれる部分の破壊過程を表
す内容。東海地震に当てはめると、現在はごく初期的な破壊が始まり、地表では御
前崎の沈降が隆起傾向に転ずる現象に現れている、と見ている。
東海地震の発生時期予測では、東大の五十嵐丈二助教授が同じ御前崎の水準測量
を特殊な数式に当てはめ、二〇〇四・三年、誤差範囲〇・八年と昨年発表した。今
回の合同大会では同じグループが地震の発生エネルギーの変化から二〇〇四―二〇
〇六年、と発表する予定。防災科学技術研究所の松村正三氏は同じ地震発生エネル
ギーの変化から二〇〇三年―二〇〇五年を予測している。
瀬野教授の予測値も含め、ここ数年に発生が迫る結果になるが、「数値的な予測
は地震のような自然現象にはなじまない」と反発する学者も多い。一方、御前崎の
水準測量結果が隆起傾向にあるとの見方には、国土地理院は観測結果のバラつきと
みて、否定的だ。
◇
まだ確証得ていない
大竹政和地震予知連会長(東北大教授)の話 今までの数値予測が単純に数
式を当てはめたものが多かったのに比べ、瀬野教授は物理モデルを提示した点で注
目に値する。実際の地殻変動が予測通りにいくか検証し、見守る必要が出てきたと
思う。ただ、この瀬野モデルはまだ確証を得たわけではないし、数値の独り歩きは
心配だ。しかし、一方で、東海地方ではスロースリップと呼ぶ地殻変動の異常が続
いている。警戒が必要なのは事実だ。
http://www.sbs-np.co.jp/shimbun/jisin/news02053001.html