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産業技術総合研究所(茨城県つくば市)は28日、東京都内で開催中の地球惑星科学合同学会で、富士山(3776メートル)の西〜南西斜面で2500〜3200年前に発生した三つの火砕流の到達域の調査結果を発表した。火砕流は山頂から約10キロの静岡県富士宮市北部まで達し、火山ガスが主体の砂嵐のような高温の火砕サージはさらに約3キロ先の富士宮道路付近まで到達していた可能性があるという。
3200〜2500年前の富士山は、山頂からの爆発的な噴火を繰り返していた。同研究所は西〜南西の斜面を調べ、玄武岩質の火山弾などを含む火砕流のたい積物を確認した。火砕流が西〜南西方向のみに流れたのは、富士山の西側斜面の山頂付近が斜度34度以上の急斜面で、噴出物がこの斜面を「滑り台」にして崩れ落ちたためと分析している。火砕流などは、時速数十〜数百キロになるため、噴火から数分で住宅もある同市北部に達する恐れがあるという。
同研究所深部地質環境研究センターの山元孝広・長期変動チーム長は「山の地形は当時と変わっていないので、噴火した場合は急斜面が原因の火砕流が発生する可能性がある。到達域は事前に予測できるので、地域の防災対策に役立ててほしい」と話している。【永山悦子】