投稿者 yomiuri 日時 2001 年 8 月 25 日 08:35:23:
文科省、首都圏直下型大地震に備え地下探査へ
マグニチュード(M)7級の首都圏直下型大地震に備え、文部科学省は来年度から、震源となる断層の位置を推定する大規模な地下探査に乗り出す。火薬を使って人工地震を起こすなどして、地震波の伝わり方から地下30キロにあるプレート(岩板)境界の構造を立体的に描き出し、首都圏各地の揺れを1キロ四方よりも細かく予測する。
首都圏の地下は、陸のプレートの下にフィリピン海と太平洋の両プレートが沈み込み、ひしめき合う複雑な構造をしており、地震を起こしそうな断層もまだわかっていない。揺れの予測も大ざっぱなものしかない。3枚のプレートが絡む複雑な構造を探査する世界でも例がない試みで、対策を充実させるという。
首都圏で想定される地震には1923年の関東大震災のようなM8級の海溝型巨大地震があるが、発生は100―200年先とされる。これに対し、首都圏直下型地震は、中央防災会議が88年に、M7級の発生が「ある程度の切迫性を有している」と警告している。
計画では、千葉市―伊豆大島間、東京―熱海市など4つの線上(計全長430キロ)に地震計を高密度に配置。人工地震によりプレートの形状などを詳細に探り出し、震源となり得る断層の位置を解明する。
また、首都圏3か所で深さ3キロ前後までボーリングし、地震波が地下の地質構造によってどのように増幅して地表へ伝わるかも調べて、きめ細かな地面の揺れの予測に役立てる。