東京都品川区の外郭団体が債務不履行(デフォルト)のアルゼンチン国債を購入していた問題で、東京消防庁所管の財団法人「東京防災指導協会」(原島栄一理事長)でも3000万円分が回収不能になっていることが13日、わかった。同協会は「高利回りが魅力で購入した」と話している。
協会によると、基本財産5億4000万円の運用先の一つとして、一昨年6月に購入した。当時の利率は4・85%と高く、円建てだったために為替の動きに影響を受けないと判断したという。当時の理事長に相談して決め、理事会には昨年4月の決算時に報告した。アルゼンチンの経済状況が悪化したため、昨年秋ごろ証券会社に売却を依頼した。しかし、買い手がつかないまま昨年12月、デフォルトが宣言された。
同協会は都が1億5000万円を出資、防災館や消防博物館の管理・運営、危険物取扱者の講習などを行っている。