東証2部上場の金属機械メーカー「住倉工業」(東京都港区)の株主総会に絡み、都内のコンサルタント会社に現金五百数十万円を渡したとして、警視庁捜査4課は13日、商法違反(利益供与)の疑いで同社社長の大島肇容疑者(43)やコンサルタント会社役員(41)ら6人を逮捕した。
調べによると大島容疑者らは一昨年6月、株主総会で議事進行に協力してもらうため、コンサルタント会社役員らに現金五百数十万円を渡した疑い。株主総会では、当時、情報処理会社を経営していた大島容疑者が同社社長に選出された。
同社は1952年9月設立。住友金属工業のグループ会社だったが、90年に大阪の建設資材リース会社のグループ企業となった。99年にオランダの水処理メーカーが発行済み株式の過半数を株式公開買い付け(TOB)で取得して筆頭株主となったが、一昨年6月の株主総会前に大島容疑者が筆頭株主になっていた。しかし、大島容疑者が第三者割当増資で取得した株の価格を巡り、広島県内の暴力団などから「安過ぎる」などと抗議を受けたため、コンサルタント会社は総会会場に暴力団員十数人を動員し、議事を進めていた。