財務省が13日発表した1月の対内・対外証券投資(約定ベース)によると、国内投資家は外国債券を3兆712億円売り越した。売り越し幅は1997年12月以来、約4年ぶりの高水準。決算期末を控えた銀行が米国債投資による損失拡大を防ぐために売却するといった動きが目立った。外債売却による資金の国内還流は、外国為替市場での円安進行に一定の歯止めをかけたとみられる。
投資家別にみると、銀行が約2兆1000億円、生命保険会社が約5000億円売り越した。国内投資家は米同時テロ後の金利低下による債券値上がり益を期待、10月に米国債を中心に5兆5000億円もの外債を買い越した。だが、その後の予想外の金利上昇で含み損が拡大。決算期末が迫り、売却を余儀なくされた。国内投資家は外国株式も2860億円売り越した。一方、海外投資家は国内債券を1兆2368億円売り越した。売り越し幅は1999年6月以来、2年7カ月ぶりの高水準。日本国債の格下げ懸念や小泉内閣の構造改革が停滞するとの見方を背景に、海外中央銀行などが売却に動いたとみられる。国内株式は2342億円の買い越しだった。