格付け投資情報センター(R&I)は12日、商社3社を格下げしたと発表した。長期優先債務格付けや長期無担保社債などが対象で、丸紅はトリプルBプラスからトリプルBマイナスに2段階、ニチメンはトリプルBマイナスからダブルBプラスに1段階、日商岩井はダブルBからダブルBマイナスに1段階、それぞれ格下げした。事業環境が予想以上に厳しさを増す中、財務基盤が見劣りする商社については「環境悪化に対する抵抗力への懸念が強まっている」と説明している。
R&Iによると、総合商社が収益力を維持するためには新たな収益源の開拓と営業基盤の再構築が必要。ただ、ペイオフ解禁を控えている金融機関は、負債が多かったり収益力が低い企業への融資姿勢を厳しくしており「追加融資を受けられる状況ではない」うえ、デフレによる資産価値の目減りもあり、リスク許容度も低下している。特に丸紅は、今期に多額のリストラ損失を計上することに伴う財務基盤の悪化が予想されるため、格付けの引き下げ幅を他社よりも大きくしたという。