柳沢金融担当相は、金融危機対応のセーフティネットについて、日本発の金融恐慌は絶対起こさない体制は出来ている、との認識を示した。
衆院予算委員会で、小池百合子委員(保守党)の質問に答えたもの。
小池委員がバンク・ホリデーの例を挙げ、システミックリスクへの方策を拡充し、信用秩序維持に対する日本の政策のクレディビリティを高める必要があるのではないか、と質したの対し、柳沢金融担当相は、「バンク・ホリデーを考えるまでもなく、金融システムに対しては、預金保険法上の102条に危機対応の諸規定がある。もっと言えば、日銀法38条。これは、信用秩序維持のためには、何でも必要なことが出来る。このように、日本の危機対応のためのセーフティネットは、ほぼどういう事態にも対処できる。日本発の金融恐慌は絶対起こさない体制は出来ている」と述べた。
また、時価会計凍結を求める声があることに対して、柳沢金融担当相は、「大手行については、平成13年度(2001年度)中間期から適用しており、この点を変更することはない」と述べた。
【参考】
預金保険法第102条
内閣総理大臣は、次の各号に掲げる金融機関について当該各号に定める措置が講ぜられなければ、我が国又は当該金融機関が業務を行つている地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると認めるときは、金融危機対応会議(以下この事において「会議」という。)の議を経て、当該措置を講ずる必要がある旨の認定(以下この章において「認定」という。)を行うことができる。
金融機関(次号に掲げる金融機関を除く。) 当該金融機関の自己資本の充実のために行う機構による株式等の引受け等(以下この章において「第1号措置」という。)
破綻金融機関又はその財産をもつて債務を完済することができない金融機関 当該金融機関の保険事故につき保険金の支払を行うときに要すると見込まれる費用の額を超えると見込まれる額の資金援助(以下この章において「第2号措置」という。)
破綻金融機関に該当する銀行等であつて、その財産をもつて債務を完済することができないもの 第111条から第119条までの規定に定める措置(以下この章において「第3号措置」という。)
日本銀行法第38条
内閣総理大臣及び財務大臣は、銀行法(昭和56年法律第59号)第57条の2の規定その他の法令の規定による協議に基づき信用秩序の維持に重大な支障が生じるおそれがあると認めるとき、その他の信用秩序の維持のため特に必要があると認めるときは、日本銀行に対し、当該協議に係る金融機関への資金の貸付けその他の信用秩序の維持のために必要と認められる業務を行うことを要請することができる。
2 日本銀行は、前項の規定による内閣総理大臣及び財務大臣の要請があったときは、第33条第1項に規定する業務のほか、当該要請に応じて特別の条件による資金の貸付けその他の信用秩序の維持のために必要と認められる業務を行うことができる。