東京都品川区の外郭団体「品川文化振興事業団」が一昨年、資金運用のため基本財産でアルゼンチンの国債1億6000万円分を購入し、その後、同国が対外債務の不履行(デフォルト)を宣言したことから、回収が困難になっていることが12日、わかった。
同区などによると、同事業団は、2000年5月と9月の2回にわたって、アルゼンチン債を円建てで購入。原資はいずれも同事業団の基本財産だった。これまでに計約1370万円の利払いを受けているが、同債はその後、値下がりし、元本を大きく割り込んだ。さらに、昨年12月になって同国は、対外債務返済の一時支払い停止を宣言した。事業団の基本財産の運用は理事会の議決を得た上で理事長が決めることになっているが、理事会には諮られていなかった。
同事業団は美術館などを運営している財団法人。事業団側は昨年春、理事長を兼ねている高橋久二区長に経緯を報告していた。
(2月12日13:58)