<東海東京調査センター投資情報部長 水谷秀夫氏>
今回の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が、日本にとっていつもと異なるのは、海外からの圧力がそれだけでは終わらず、後に米国大統領の訪日が控えていることだろう。G7の内容そのものに、目新しいものはないものの、大統領訪日に向けて、銀行への公的資金再注入など具体的な対策が出る、との期待感が高まったのではないか。それに米国株高も加わり、株価の先高感が大きくなったとみている。
もっとも、これで市場が満足するような対策が出ない場合、今度こそ外国人投資家をはじめ、失望売りが出ると思う。そうした意味で、今回が手遅れにならずにマーケットを回復させる最後のチャンスになる可能性が高い。
相場全体については、期末をにらめば、画期的な対策が出ても、戻り売り圧力の強さから3月中旬まで上値が限定的になることが想定される。当面は自律反発の域から出ないかもしれない。ただし、環境が一変したうえで、目先が伸び悩む場合は、期末の特殊要因で抑えられるためであり、ここ1か月あまりの間が株式を仕込む格好のチャンスになる。