ダイムラークライスラーの北米部門、クライスラーのディーター・ツェッチェ社長は、日本が外国為替市場におけるドル/円のレートを人為的に円安に誘導していることは、自動車メーカーや米経済にとって「深刻な影響」を与えるとの認識を示した。
同氏は講演草稿で、円はドルに対して「徐々に人為的に」押し下げられてきたと述べ、日本の自動車メーカーは円安によって、1台あたり1200~1400ドルの恩恵を享受しているとのあるアナリストの推計を指摘した。
そのうえで、「人為的な円安誘導は(日本の自動車メーカーの)コストや販売価格に大きな利益をもたらしている」と述べた。
また本田技研工業7267.Tの吉野浩行社長が、円安が一段と進めば、日本で製造したホンダ車の対米輸出増を検討せざるを得ない、と述べたことを指摘し、こうした動きは米国内の雇用削減につながりかねないと述べた。
ツェッチェ氏は、ゼネラル・モーターズ(GM)GM.N、フォード・モーターF.Nの会長と連名でブッシュ大統領に書簡を送り、円安について苦情を訴えていた。