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| ★阿修羅♪ 国家破産６ ★阿修羅♪ |
大手総合スーパーのダイエー<8263>は18日、2002年度を初年度とする「新3カ年計画」を発表した。UFJ<8307>、三井住友<8318>、富士の主力3銀行行による債権放棄、債務の証券化（デッド・エクイティ・ファイナンス）などで総額4200億円の金融支援を実施。3行が設定していた5000億円のコミットメント・ラインについても、総枠を上積みして再設定する。ダイエーは子会社の半減や、グループ全体で6000人の人員削減、資産売却などを3カ年計画で進める。優先株減資や債権株式化、さらに債権放棄などの実施に伴って普通株式も50％減資する。3年後までには連結有利子負債を1兆円未満にまで圧縮する。流通業界最大の懸案に対する処理策が一応、まとまった格好だが、背景には有志・支援してきた銀行側の苦しい台所事情が透けて見えることに加え、すべてのカギを握るダイエーの営業力回復も不透明のままといえ、危機的な状況が続いていくことには変わりがないようだ。
ダイエーの信用不安が一気に加速したのは、2001年11月頃から。食品、日用品、衣料品などの取引先が取引条件の見直しを加速。12月には株価が急落し、市場が猛烈に抜本的な再建策を催促し始めた。同社と密接に関係してきた有力卸が決済を月3回に変更したうえ、商品供給を打ち切るケースも見られるなど、店頭維持に影響が出始めていた。
加えてある金融筋によると「コミットメント・ラインは1000億円程度の残高があると主張していたが、昨年後半の時点で銀行団は実質的に残高ゼロと判断していた」という。すでに既存の再建路線は御破算になっていたに等しいわけだ。
●外食、リクルート株も売却へ〜“ホークス”は残る
発表された「新3カ年計画」は「あくまでもスケルトンいわば骨子であり、2月末までに詳細計画を作る」（ダイエー）とした。今回の銀行による金融支援策は、昨年主力3行が引き受けた優先株1200億円を100％減資。さらに3行融資の有利子負債1兆6000億円のうち3000億円を債権放棄とデット・エクイティ・ファイナンスで“棒引き”にする。連結グループとして2004年度期には経常利益540億円、純利益300億円を達成させる。
また、向こう3年でハイパーマートなど50店舗を閉鎖、福岡のホテルとドーム球場を証券化して売却、外食やリクルート株なども売却計画に盛り込んだ。さらに、ダイエー本体1000人、グループ各社5000人の合計6000人を削減すこととした。懸案だった、プロ野球チーム・ダイエーホークスは売却の対象には含まれなかった。
産業再生法による5％ルールを外す特例措置で、銀行団はダイエーのデット・エクイティ・ファイナンスを株式保有する見通しで、これにコミットメント・ラインを再設定。「銀行団としては頑強に支援していく」（金融筋）という内容になっている。
●ダイエー問題は「すでに銀行の存亡に関わる大問題」に
ただしダイエー問題はすでに完全に銀行問題に移行している。今回の金融支援もダイエーがつぶれれば「銀行が持たない。それが全ての理由」と、ある関係者は話す。法的整理には融資下位行や1000億円以上の融資残高を持つ新生銀行の処理をクリアしなければならないが、「そんな体力はない」（同）。
実はこんな話をする関係者もいる。「鳥羽前社長は銀行団に大規模な債権放棄による再建策を提示したはず。今回の支援策は当時の案を銀行がのみやすいようにやわらかくしたということ」。逆にいえば全ては銀行の都合という構図で、一連のダイエー報道のリーク元もほぼ銀行筋といわれる。
金融支援策は固まったものの、ダイエーの再建は依然として予断を許さない。主力3行は「少なくとも1年間は支援を継続。リストラの進捗度を見ていくだろう」（同）という。しかしリストラによって資産・事業売却を進めていく先に残っている本体、GMS事業の営業力回復については見方が分かれている。
昨年の既存店売上高は前年度比8％減。ダイエーは前々年のホークス優勝時のセール売上の反動などを要因として上げているが、ある流通関係者は「毎年、優勝できるわけでもあるまいし、理由にならない。前年割れは前年割れ」と話す。全店舗中、半分が赤字といわれるGMS事業に大ナタがふるわれるのは避けられないが、店舗数の減少はナショナルチェーンとしての競争力に直結する問題で、「現場の士気も下がっている」（ダイエー関係者）。
●「すでに国営大規模スーパーマーケット」？
同社の年間利払いは230億とも500億ともいわれる。金利減免と債務免除で圧縮したとしても、これから発生するリストラ原資と運転資金の需要を賄うためのキャッシュフローをダイエー独自でひねり出すには営業利益ベースで相当の額を叩き出さなければならない。デフレと消費低迷という市場環境は、こうした挑戦に対する逆風だ。
銀行に加えて国まで動員した支援策を受けたダイエーはすでに“国営スーパー”と揶揄する向きもある。ゼネコンの例を見ても、債権放棄後に経営が立ち直ったケースはまだない。ダイエーの再建が本当に軌道に乗るのか、不良再建処理の単なる先伸ばしに終わるのか、その判定をするのはまだ早い。
（山科静 市川徹）
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。