総務省は2003年に設立する郵政公社を、金融機関同士が短期の資金をやり取りするコール市場に参加させる方針だ。郵政公社が郵便貯金と簡易保険の資金を民間金融機関に直接、貸し付ける。コール市場での資金の機動的な運用は、運用効率の改善につながると判断した。最大2兆―3兆円の資金を運用する見通しで、コール市場で最大規模の資金の出し手となる。
郵貯の貯金者や簡保の契約者から集まった資金量は合計で360兆円で、ほとんどが国債や地方債などで運用されている。郵政公社は独立採算で運営されるため、総務省は運用先を多様にすることでリスクを分散し、運用収益の向上を目指す。今春の通常国会に提出する日本郵政公社法案(仮称)に運用手法の見直し策を盛り込む考えだ。コール市場では生命保険会社や地方銀行が余剰資金を運用する一方、都市銀行などは資金を調達している。民間金融機関の資金繰りを調整する重要な金融市場となっている。公社は新たに日銀に開設する決済専用口座を通じて、余剰資金を都銀などに貸し出す。