日銀幹部は、国内の景気浮揚に向け、実質的なゼロ金利政策を推し進めており、今後も潤沢な資金供給を続ける意向を既に明らかにしているが、その手法について、新たな方策の検討の必要性が生じる可能性がある、との見解を明らかにした。
7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)会議終了後、記者団に明らかにした。
日銀は、デフレからの脱却を目指し、2001年3月に、消費者物価指数(CPI)の下落が止まるまでは緩和政策をとる意向を明らかにしているが、この幹部は、現在の環境では、政策 金利の引き下げは事実上不可能であり、金融市場では日銀のオペは札割れが相次いでいるため、「従来のやり方だけでは、流動性を高めることが困難な状況になりつつ」ある、との見解を示し、新たな方策の検討の必要性があることを指摘した。
これより先、塩川財務相は8日、2001年12月の日銀政策決定会合で月8000億円に引き上げられている長期買い切りオペの額を、1兆円に引き上げるよう日銀に要請すると表明しているが、G7直前に行われた日銀金融政策決定会合では、何ら新たな決定は下されていない。
今後の日銀がとり得る方策について、G7会合で説明したのか、との記者団からの質問に、同幹部は、「必要であれば、必要に応じて政策会合で決定する」と述べるにとどめた。