【オタワ9日=米州総局】塩川正十郎財務相はカナダのオタワで9日夕、7カ国
(G7)財務相・中央銀行総裁会議閉幕後に記者会見し、「今後の経済対策とし
て金融機関の不良債権処理や企業のリストラと新しい事業展開を含む構造改善
を引き続き進めるとともに、これに対する(失業対策などの)セーフティーネットを
十分に講じていきたい」と強調。「構造改革の一環として税制改革に取り組み、6
月ごろをメドに方針を決める。経済構造の改革を促進することと企業の投資を誘
導するための税制を考えたい」と述べた。
不良債権の続出は株価の低迷によって生じるとの見方から「株式取得機構に2兆円の公的資金発動
も考えている」と表明。「株の信用取引の規制強化に向けて貸株の賃借料を引き上げたり、信用取引の
売買は直近価格を下回ることはできないというルールを厳格に適用するように強く行政指導したりする」
と述べた。また国と地方の債務残高の拡大を抑えるために「今後国債発行を減額させると同時に販売し
やすいように配慮する」とも指摘した。