政府は9日、総合デフレ対策のとりまとめに入った。竹中平蔵経済財政担当相を中心に策定した原案では、大手銀行が厳格な査定で建設、流通など経営不振企業向けの債権への引き当てを強化するよう促し、資本不足になる銀行には公的資金を再注入することも検討する。企業の破たん急増を防ぐため、銀行の貸し渋り対策を含む安全網の整備も盛り込む。
総合デフレ対策は一層の金融緩和、株式市場の活性化なども柱になる。週明けから財務省や経済産業省、金融庁、内閣府などが最終的な調整に入り、早ければ今週中にも固まる見通しだ。
銀行の不良債権処理では、過剰な債務を抱えて経営不振に陥った融資先の大手企業の存在が焦点となっている。再生が可能かどうかの判断を早期に固め、各行が処理すべき不良債権額を確定するよう促す。企業再生策としては銀行による債権放棄や不振な事業部門を分離する会社分割などを活用するよう呼びかける。整理か再生かを決めるうえで「9月末まで」などと期限を設ける案も浮上している。