金融庁は8日、情報公開法に基づく日本経済新聞社の行政文書開示請求に対し、1999年6月から2000年2月に開催した金融再生委員会の60回分の議事録を公開した。ペイオフ(定期預金などの払い戻し保証を元本1000万円とその利息までとする措置)凍結解除の1年延期について、反対論が相次いでいたことが明らかになった。
ペイオフ延期に関する議論が白熱したのは99年末から2000年始にかけて。越智通雄委員長(=当時)が「検査官の質のアップを時間をかけてがっちりやっていかなければならない中でちょうどペイオフが来てしまっている」と、延期論を先導。「信用組合の2001年4月以降の話をどうするかというのが頭の痛いところなんです」と信組の例外扱いを主張した。
これに対して、磯部朝彦委員が「金融機関の株価は全面安を呈しているが、どうもペイオフ問題をみんなが懸念して金融株に集中した売りが出ている」と国内外の市場の信認を失うことなどを理由に強く反発。