財務省は8日、衆院予算委員会に2002年度予算案を前提とした今後3年間の歳出・歳入額試算を提出した。名目経済成長率を年0.5%、消費者物価指数の伸びを年0%と仮定した場合、今年度末で400兆円弱の国債発行残高が、2015年度末に836兆円に膨らむと予想した。
償還を迎えた国債を借り換える「借換債」発行額も2015年度に150兆円になると計算している。2002年度に30兆円の国債発行で賄った歳入不足は2005年度に42兆円に広がるなど財政運営が厳しくなると予測。これを穴埋めする方法として国債発行、増税、歳出削減のいずれかが考えられる。
財務省試算は昨年まで「財政の中期展望」として国会に提出していた。政府の経済財政諮問会議は1月下旬に中期経済財政展望を発表。財務省の試算とは前提となる名目経済成長率などが異なり、歳入不足額も違うなど政府内に2つの試算が混在することになった。