金融庁は8日、証券金融会社などから借りた株を売って価格が下がったところで買い戻して利益を稼ぐ空売りに対する規制強化を発表した。金融庁は「空売りは、実体を反映しない株価下落につながっている」と分析している。
現在は、直近に成立した価格を下回る価格での空売りを禁じているが、新たな規制は、価格が下落している局面では、直近の価格と同じ価格での空売りも禁止する。空売り規制違反で行政処分された米モルガン・スタンレー証券は、現行規制をかいくぐるため、直近価格を下回る価格で自社保有の現物株を売り、引き下げた価格を直近価格として、これと同じ価格で空売りしていた。規制強化は、この種の違法行為(作為的相場形成)を防ぐ狙い。
【木村旬】
[毎日新聞2月8日] ( 2002-02-08-20:19 )