【ワシントン7日=林路郎、天野真志】
ブッシュ大統領が今月18日に東京で行われる日米首脳会談で、日本の景気回復の遅れに対して懸念を表明したうえで、世界経済は日本の成長にかかっているとの認識を示し、不良債権処理や規制緩和の進展などを強く迫る方針であることが分かった。米政府高官が7日、大統領が17日から22日にかけて予定している日中韓3国歴訪に関する記者団への背景説明のなかで明らかにした。また、同高官は、テロとの戦いへの協力態勢の構築が、3か国との共通で最大のテーマになることも明らかにした。
高官は「米国の専門家らが、日本が不良債権処理や規制緩和を進めるべきだと見ているのは明白だ」として、大統領がこうした分野で一層の政策対応を求めるとも語った。そのうえで、「日本経済が再び回復軌道に乗ることを確信しており、大統領は首相の改革路線を引き続き支援する考えを表明するだろう」として、小泉首相の経済構造改革を支持することも強調した。
また、歴訪の最大の目的について、「3か国との間で、対テロ戦争遂行や地域安定などに向けた協力のあり方を協議すること」と言明。同高官は、対テロ戦争での日本の貢献について、自衛隊の後方支援に向けた国内法制の整備と実際の自衛隊の参加、東京でのアフガン復興支援などの外交努力などを列挙し、「日米協力は非常に目覚ましい成果を上げた」と評価した。
歴訪では、対北朝鮮政策も重要な焦点となる。同高官は「大統領は朝鮮半島安定が南北和解から出発すべきだと考えている」と述べ、大統領が半島の実質緊張緩和に向けた南北の努力を促すとの見通しを示した。
(2月8日13:52)