日銀は8日の政策委員会・金融政策決定会合で、現行の量的金融緩和策の維持を賛成多数で決めた。銀行の手元資金である日銀当座預金残高の目標を10兆―15兆円程度とし、その達成に向け金融市場に潤沢な資金を供給する。会合では長期国債買い入れ増額など追加緩和策も議論したもようだが、景気下支え効果が限られるうえ、長期金利上昇を招く懸念から実施を見送った。
最近の株価下落や長期金利上昇などを受け、今回の会合では、景況観の一段の悪化を金融面から防ぐ方策が議論の中心となった。追加緩和策として長期国債買い入れ(現行月8000億円)を月2000億円程度増やす案が議論の対象になった背景には、今年に入り金融調節で予定通りの資金供給ができない「札割れ現象」が増え、資金供給の拡充策が課題となっていたこともある。
日銀は2月28日に開く次回会合に向け引き続き対応策を検討する見通し。