日銀が8日発表した1月のマネーサプライ(通貨供給量)速報によると、代表的指標である「M2プラスCD」(現金と預金の合計)の平均残高の前年同月比伸び率は3・6%増で、前月を0・2ポイント上回り、99年10月の3・6%増以来の高い伸びを示した。1月の月中平均残高は663兆円となった。
1月の内訳は、普通預金など預金通貨が前年同月比18・4%増と、96年6月の18・4%増以来の高い伸びを示した。定期預金など準通貨は同5・6%減少し、68年1月の調査開始以来、過去最大の減少幅。定期預金が減り、普通預金が増える傾向が鮮明となった。日銀の金融緩和策による金利低下で、定期預金へ預ける利点が小さくなっているため、流動性の高い現金通貨や普通預金が増えたとみられる。
また、金融機関が破たんした場合に預金の払戻保証額を元本1000万円とその利息とする「ペイオフ」が4月から凍結解除されるため、預金者が定期預金から普通預金にシフトしていることも要因と考えられる。 【川口雅浩】
[毎日新聞2月8日] ( 2002-02-08-11:10 )