金融庁は8日、読売新聞社による行政文書の開示請求に対し、ペイオフ(破たん金融機関からの預金払い戻し保証額を元本1000万円とその利息に限る措置)の凍結解除の延期を巡る議論や経営破たんした日本長期信用銀行(現・新生銀行)の譲渡先選定に関する議論などを行った、99年6月24日から2000年2月3日までの金融再生委員会議事録を公開した。
ペイオフの凍結解除の延期について、当時の越智通雄委員長が、信用組合に限って2003年3月末まで適用しない一部延期論を主張したのに対し、4人の民間委員が全員、延期に強く反対した。
この後、与党3党の政策責任者の間で、すべての金融機関について1年延期して2002年4月から凍結解除する方針が決まった。
これに対して、再生委員会では、民間委員から「今までの結論と違うのではないか」(清水湛委員)、「了解する立場にない。これはすでに政治マターである。大臣(越智金融再生委員長)に一任したのだから、遺憾だがやむを得ない」(片田哲也委員)などと、政治主導で延期の枠組みが決定されたことが明らかになった。
(2月8日12:13)