朝日生命保険の主力取引銀行である第一勧業銀行など3行が、朝日生命に対して最大1500億円の金融支援を検討していることが7日、明らかになった。第一勧銀は朝日生命に供与している劣後ローンのうち最大1000億円を資本金にあたる基金に振り替える方針を固めている。さらに、朝日生命と親密なあさひ銀行、大和銀行の両行も、朝日生命からの支援要請を受けて、2行合わせて500億円の劣後ローンを基金に振り替える支援の検討に入った。
朝日生命は、先月末に、東京海上保険グループとの経営統合の前倒しが撤回されたことから、経営の先行きに対する不透明感が強まっており、第一勧銀など取引銀行が支援姿勢を明確に示すことで信用力を高め、契約者の動揺などを鎮静化する狙いがある。
朝日生命の基金は基金償却積立金を含め現在1000億円で、支援によって最大で2・5倍に増額される。劣後ローンという一般債務が削減されることから、資産と負債の額である実質純資産が増えて、財務基盤が安定する。ただ、第一勧銀と他の2行の間では支援の負担割合について調整が続いており、支援の総額が1500億円となるかどうかは、流動的な面もある。