民間信用調査機関の帝国データバンクは、2001年9月中間期末時点の金融機関の有価証券含み損益を集計した。大手15行すべてが含み損を抱え、全国131行の含み損の合計は1兆7906億円に上った。2001年3月末は2兆5514億円の含み益だった。株安の影響により、金融機関はわずか半年で4兆3000億円に上る有価証券の含みを失った。
有価証券の含み損益は取得原価と時価との差。9月末の含み損益を業態別に見ると、「大手15行」は3兆2764億円の含み損となった。3月末は2327億円の含み益だった。日経平均株価が3月末の1万3000円弱から9月末には9700円強まで急落するなど、株式市況の冷え込みが背景。
個別行で見ると9月末は三井住友銀行の含み損が6409億円ともっとも大きい。3月末は含み益を確保していた東京三菱や住友信託も含み損に転じた。