柳沢金融担当相は、現時点でペイオフ解禁が金融システムを大きく揺るがす状況にはない、と述べた。
衆議院本会議の代表質問で、井上議員(保守党)の質問に答えたもの。
柳沢担当相は、金融の現状について、「金融機関は、検査の強化などの結果もあり、貸出に対する不良債権の比率は通常より高い状況にあるが、会計基準にのっとって充分な担保引き当てが行われている。また、国際的な基準で適切な自己資本が備えられており、不良債権比率が高いことですぐに、不健全であるということにはならない」と述べた。
ペイオフ解禁による金融機関への影響について、柳沢担当相は、「定期性預金の分散化、小口化の動きが一部にあるが、銀行、信金、信組、協同組織の各業態ともに、預金残高は対前年比で減少しておらず、特定の業態から預金流出が生じている状況ではない」と述べた。
また、「中小企業に対する貸出姿勢は、足元、やや厳しくなってきていると認識しているが、中小企業を含む健全な取引先に対する資金供給の一層の円滑化に努めるよう金融機関に要請している」とし、「現時点で、ペイオフの解禁が金融システムを大きく揺るがすような状況にはない」と述べた。
さらに、柳沢担当相は、「金融庁としては、4月からの円滑なペイオフの実施に向けて、より強固な金融システムを構成するように万全を期していきたい」と語った。