大和銀行とあさひ銀行は6日、朝日生命保険に対し総額200億〜300億円を支援する方針を明らかにした。朝日生命は、東京海上火災保険との早期統合計画が破談となったことで財務基盤の強化を迫られており、両行は朝日生命の基金(株式会社の資本金に相当)に、劣後ローン(返済順位の低い融資)の一部を振り替える形をとる考え。最も親密な第一勧業銀行も基金拠出の検討を始めており、実現すれば3行を挙げて支援に乗り出すことになる。
朝日生命の基金は現在、500億円。早期統合計画の破談で、東京海上からの基金拠出が見送られた。朝日生命は、親密なみずほグループの第一勧銀を中心に、1000億円規模の基金拠出を要請している。
3月に経営統合する大和銀とあさひ銀はすでに朝日生命に対して、各80億円ずつを基金に拠出している。加えて両行の劣後ローンは、合わせて1000億円規模となっており、このうち200億〜300億円を振り替えに充てる案が有力だ。
劣後ローンを基金に振り替えると、朝日生命の実質純資産額が増え、財務体質の健全化につながる。銀行側も、新たな資金を投入せずに支援できるメリットがある。(