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S&Pが、昨日邦銀9行に対して初めて銀行の事業継続性評価を発表した。これは、中期的に業務を継続する蓋然性に関するS&Pの見解だそうだ。また、S&Pは、大手邦銀7行を格下げし、4行の格付けを据え置いた。なお、長期格付けに対するアウトルックは全銀行に対して「ネガティブ」としている。一方、ムーディーズは、あさひ銀行の長期預金格付けをBaa1からBaa3に2段階格下げし、格付け見通しはネガティブとしている。大和銀行の長期預金格付けはBaa3に据え置いている。更に、ムーディズは日本の生命保険会社7社を格下げ方向で見直すと発表。国際的に信用度の高い格付け会社のわが国金融機関に対する厳しい見方を受け、本日以降、これをどうするのかと市場が政策当局に催促する動きが加速しよう。
ところで、財務省が市場関係者や有識者を集めて国債市場懇談会を開いたようだ。そこで、国債価格の暴落の恐れは「あり得ない」で出席者が一致したそうだ。その理由として、日本は民間貯蓄が大幅黒字で国内だけで財政赤字を賄う構造になっており、赤字を海外に依存していないことを挙げている。オイオイ、民間貯蓄は、それぞれ個人のもので国のものではないんですよ。この国が信用できなくなれば、賢明な個人は、それを金やらドルやらに替えるでしょう。そんな状況になったら国債なんてもの誰が買うのですか。そう言えば、郵便局での国債販売は2兆円の売り残りが出たそうじゃないですか。
テクニカル的には、9月安値(9300円レベル)近辺でいったん下げ止まり短期のリバウンドに入れる可能性は高いだろうが、政策(公的資金注入等)が伴わない限りそれは極めて短命なものとなるだろう。そして、政府に抜本的な対策を決断させるべく市場の当局への警告は発し続けられることになりそうだ。このような状況下、資産防衛手段としては、金融資産の大部分をドル、ユーロ、金に替えて自分の手元に置くか海外の銀行に預け、円資金の一部で日本株投資をする慎重さが必要だろう。また、従業員持ち株会等を行っているサラリーマンで、そこが業績不振に陥っているのなら持ち株を売却して自分の勤める企業とは全く違うセクターのトップ企業に銘柄入れ替えを行い、資産運用と給料を貰うところを別にしてリスク分散することまで考えておきたい。
政府の対応があまりに緩慢で日毎に事態が悪化している。円は安くなることが国策となっている以上、投資家は、相対的に価値の下がる円を今の高いうちに何に替えるかの選択が重要だろう。目先、そこまでの必要がないという投資家なら資源株でリスクヘッジするのも良いだろう。いずれ、現在のデフレは止まり、悪性か良性かは別としてインフレは起こり、今回財務省の懇談会であり得ないと大本営発表された国債の大幅下落の発生確率は高いとみるからだ。それに備えた準備はしておいて損はないと考えておきたい。