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5日の債券相場は反落(利回りは上昇)した。前日に続いて中期債に買い需要が拡大したため、午前の取引では相場が一段高となる局面もあった。しかし、株式相場が崩れたことをきっかけに債券市場ではリスク許容度の低下が懸念され、長期債に持ち高を軽くしようとする投資家の売りが持ち込まれると、午後には先物相場も売り優勢の展開に転じた。
大和住銀投信投資顧問年金運用部の伊藤一弥ファンドマネジャーは、この日の現物市場に関して、銀行勢の買い需要がみられた中期ゾーンはきのうに続いて底堅い推移となったが、長期債は年金などの戻り売りもあって勢いがなかったと指摘。「株式相場が午後に入ってあらためて崩れ始めると、長期債相場にとっては厳しい展開だった」との見方を示した。
先物相場は乱高下。3月物は取引開始後に買い優勢の展開となり、午前10 時30分には1週間ぶりの高値となる136円70銭まで上昇。午後に入ってしばらく136円50銭付近でもみ合ったが、2時前後から売り注文が優勢となり、引け間際にはこの日の安値135円94銭まで下げ、そのまま安値圏で終了した。
テクニカル分析の観点から先物はいったん底打ちしたとの見方もあるが、午後の取引で下げに転じたため売り圧力に対する警戒感が根強く残った。
先物を中心限月ベースでみた場合、市場では2000年9月の安値130円28 銭から、2001年6月の史上最高値141円23銭を結んだ線の半値戻しの水準となる135円76銭の水準が意識されている。3月物は4日の取引開始直後に135円 72銭まで下落、その後は反発に転じていたものの、この日の終値が再び136円を下回ったことで、あす以降に再び135円70銭台を探る展開も予想されている。
10年利回りは1.530%
現物市場で10年物の236回債利回りは、前日の終値と同じ1.500%で取引を始め、一時は前日比0.025ポイント低い(価格は上昇)1.475%をつけていたが、午後の取引では一転して1.535%まで上昇している。5年など中期ゾーンには銀行などの買い需要が残っていたが、236回債の価格が100円を上回る水準で投資家の需要はついてこなかったもようだ。
ドレスナー・クラインオート・ワッサースタイン証券の水野正明チーフストラテジストは、4日の米株相場急落がファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を反映した動きでなく、ずさんな企業会計処理が明らかになったことに端を発していることを懸念。「仮に米国の株安が続くようだと、国内株相場がさらに落ち込むリスクが高く、リスク回避の姿勢を強めている国内投資家から長期債への需要は出てきにくい」との見方を示していた。
実際、日米の株式相場が不安定な状況に変化はなく、この日は日経平均が終値ベースでバブル経済崩壊後の安値を更新しているだけに、当面は価格変動リスクの大きい10年債を敬遠する傾向が強まる公算が大きい。
東京三菱証券の石井純チーフ債券ストラテジストは、米国の株安が一段と日本株の下げにつながるリスクが高いと指摘。「決算直前のこの時期の株安は不良債権処理のコスト上振れやリスク許容度の低下を通じて、余裕資金による債券運用を鈍らせる」と警戒している。
中期債も戻り売り
5年債など中期債相場も反落(利回りは上昇)した。4日には最終投資家の買いが入ったとの観測が強まったうえ、この日も地方銀行などの需要がみられたものの、前日からの利回り低下が急激だったことへの警戒感が強まった。
この日、5年物の17回債利回りは一時的に0.590%まで低下し、8営業日ぶりに0.6%割れを記録した。しかし、「0.6%を下回る水準で買いにいったのは、投資家の買いに応じてショート(売り持ち高)となったディーラーの買い戻しとみられ、この水準で積極的に買う動きには至らなかった」(伊藤氏)。
5年債は7日に入札を控えていることも懸念材料だった。「先週末の段階で0.7%に接近する水準では、期待されたとおり買いが確認できた。だが、入札直前に0.6%まで低下するのは行きすぎ」(水野氏)だと言う。
財務省は7日に5年国債の価格競争入札を行う。表面利率(クーポン)は、1月11日に入札された17回債より0.1−0.2ポイント高い0.6%−0.7%が見込まれる。発行額は前回と同額の1兆8000億円。
先物の建玉に注目
先物市場では未決済の建玉残高が高水準となっていることに注目が集まっている。昨年後半以降の先物取引では、海外勢の投機的な売りや都市銀行などのヘッジ目的の売りが膨らみ、3月物の建玉は年始以降だけでも2兆5000億円以上増えた。
現物市場では投資家が割安ゾーンを物色するにとどまるなど、市場全体の雰囲気も盛り上がりに乏しい展開が続くとみられものの、中心限月交代が近づく月末にかけては先物の建玉の多さが需給面からの下支え要因になると期待されている。
先物の売り持ち高を減らす買い戻しが本格化するきっかけとして、建玉の増加がピークアウトするタイミングと合致するとのではないかとの指摘がある。
東京三菱証券の石井氏は、今回と同様に建玉増加を伴って先物相場が下落したケースとして、2001年3月下旬から4月下旬と、同6月末から7月末の2回を挙げ、いずれの場合も建玉増が止まると同時に先物相場が反発に転じたと指摘。「今回の建玉残は前2回の水準を上回っている。2月半ば以降には建玉整理が先物相場の急落を収束させることとなり、数少ない長期金利の低下要因と言える」(石井氏)とみている。
(債券価格) 前日比 利回り長期国債先物3月物 135.95 -0.30 1.769 売買高(億円) 48774 236回債 99.74 1.530(+0.03)