★阿修羅♪ 国家破産6 ★阿修羅♪ |
日本売りと言っても、本来的には世界に冠たる債権国日本を売るのは容易でない。まして日本人が日本売りをするとすれば、いずれ日本を脱出するか、円決済を放棄する時だ。だから、文字通りの日本売りというのは、めったなことでは起こらない。
それがここへ来て様相を異にしてきた。1月後半に外国人投資家が日本の国債を約1兆5千億円売り越した。中には欧州の幾つかの中央銀行も入っているようだ。売りの理由は、日本政府が円安に誘導しようとしていること、国債の格下げリスクがあること、国債が日銀など公的機関に保有されて流動性が無くなる懸念がある、などのようだ。
加えて外相人事に絡んで小泉内閣の支持率が下がり、改革自体が進まなくなる懸念とともに、政局に進展する可能性までささやかれるようになった。更に一部生保の経営危機に対して当局の対応が後手に回り、金融不安再燃の懸念が高まった。当初、外国人投資家中心だったが、次第に日本人の売りをも巻き込んで株・債券・円のトリプル安が進行し、ついには日本売り、というムードになってしまった。
これらに共通するのは、いずれも「無政府状態」、あるいは政府への失望だ。不良債権処理やゼネコンなどの企業再編に対しては金融機関に丸投げし、今期中は何も出さないで何とか先送りしたい、との立場が見え見えとなった。外務省のNGOにかかわるトラブルに際しては、大の大人が言ったの言わないのというレベルで国会が空転する。為替についても、あれだけ市場に円安誘導しておきながら、米国に怒られたり、長期金利が上がって台所事情を脅かされると途端に、円安誘導などしたことがないと、うそぶく。
こうしたいい加減さが市場参加者の信頼を大きく揺るがしている。輸出や生産の一部に明るい材料が出てきたが、このままでは政府が自ら景気の足を引っ張りかねない。(千)
(02/ 05 )